量子コンピューティング市場は2025年までに10億〜50億ドル規模に達すると予想されています。IBMが世界最高の433キュビットの量子コンピュータ「オスプレイ」を発表し、USと中国の技術競争が激化しています。

量子コンピューティングは量子物理学の原理を用いてデータを格納・計算します。量子ビット(キュビット)が同時にオン・オフの状態に存在できる重ね合わせを特徴とします。しかし、キュビットは外部環境から隔離されなければならず、その達成が科学技術の大きな課題となっています。現在の量子コンピュータは「ノイズ中間規模量子(NISQ)」の段階にあるとされています。 IBMは量子コンピューティングの研究開発で世界をリードし、2022年11月には世界最高の433キュビットの量子コンピュータ「オスプレイ」を発表しました。IBMは2025年までに4,000キュビットの量子コンピュータを開発する予定で、2023年には1,121キュビットの「コンドル」、2024年には1,386キュビットの「フラミンゴ」のロードマップが用意されています。GlobalDataは、2027年には量子コンピューティングが本格的に商業化されるであろうと予測しています。 一方で、米国と中国は量子コンピューティング分野で競争を繰り広げており、技術覇権をめぐる戦いが激化しています。米国の主要テック企業が量子コンピューティングをリードしている一方、中国ではアリババがリードしています。中国は量子衛星通信では米国を上回る技術力を持っており、国家レベルで量子技術開発に取り組んでいます。 量子コンピューティングの発展は、金融モデリング、プロセス最適化、サイバーセキュリティ、軍事研究開発などの分野で巨大な利益をもたらすと見込まれており、今後ますます多くの企業や国が注目していくでしょう。